アダルトチルドレン(AC)の気質を持つ方が感じる”生きづらさ”はさまざま…
育った環境、周りの人たち、その後の今日までを過ごしてきた環境も人によって違うので、当然ですね。
※アダルトチルドレン(AC)とは
”子どものころに親との関係の中で何らかの心の傷やトラウマを負ったこと原因で、大人になってから悩みや生きづらさを抱えている人”のことです。
ACは病気ではなく、ひとつの気質です。
今回はACが感じる生きづらさの原因になりやすい特徴のひとつ、”承認欲求が強い”ことについて見ていきます。
アダルトチルドレンと承認欲求
承認欲求が強いということは、”人から認められたい”という気持ちが強いということです。
どうして承認欲求が強くなってしまうのでしょう?
…その理由は、子どもの頃から成長する過程で承認欲求が十分に満たされなかったからです。
子どもの頃に育った環境の中で、無条件の愛を受け取ることが難しかったからなのです。
例えば…
・なにかが”できた”ときだけ褒められた
・逆になにかが”できない”と怒られた
・失敗したり、間違うことを許されなかった
・そもそも褒められたという経験がない(少ない)
これはほんの一例ですが、このような環境のもとで育った場合、無条件の愛を感じ取ることができず、心の中が満たされていないことで、今も無意識に誰かからの承認を求めている可能性があるのです。
これは、本来であれば子どものころに完成していたはずのパズルが、ピースが足りなくて未完成のままになっている、そんな状態です。
大人になってからもパズルが完成していないままで「なにかが足りない」「欠けている」と感じて、無意識に最後のピースを探してしまうことになるのです。
そして、最後のピースを持っているのは自分ではない他の誰かだと考えています。
そこで、誰かからそのピース、つまり承認ををもらうことによって、パズルを完成させようと頑張らざるをえないのです…
つまり、無意識のうちに承認を求めてしまうというわけです。
このように、ACと承認欲求には切っても切れない関係があります。
この持ちたくて持っているわけではない、無意識の承認欲求が生きづらさの原因になるケースはとても多いです。
また、承認欲求が強いことに自分自身で気づいていないというケースもあります。
その場合は、なぜだか理由のわからない欠乏感や無価値観を感じることに繋がったりします。
無意識に承認を求めていると起こることって?
では、無意識のうちに承認を求めているとどんなことが起こるのでしょう?
たとえば…
「頑張りすぎてしまう」ということが起こります。
ACの気質を持つ方は、そもそも頑張り屋さんでまじめな方がとても多いです。
基本的に仕事や勉強などに真摯に、一生懸命取り組む方たちが多いのです。
そこに無意識に承認を求める傾向が加わると「もっと頑張らなきゃ」と思うようになります。そして、その気持ちに従って、仕事や勉強を頑張ってこなします。
でも、大人になると人に認めてもらったと感じられる機会はないもの。
仕事でも勉強でも、そんな機会は滅多にない、と言っても言い過ぎではないかもしれません。
それに、誰かに承認してもらえるかどうかは状況や相手の気分など、さまざまな要因の影響を受けます。
だから、たとえどんなに頑張っても、力を尽くしても、誰かから認めてもらえるとは限りません。
ところが、承認欲求が強いと、なかなか他人からの承認を得られないときに「認めてもらうためにはもっともっと頑張らなきゃダメなんだ」と考えてしまい、さらに頑張らざるを得ません。
【頑張っているのに、承認欲求は満たされない】
こんな状態が続くうちに、頑張りすぎて身体が疲れてしまったり、心が傷ついてしまったり、「どんなに頑張っても、自分が認めてもらうことなんて無理なんだ」と自分への無力感を感じる結果に繋がってしまうことがあるのです。
一生懸命頑張っているにもかかわらず、生きづらさを感じてしまうという流れ。
気づかぬうちに、このような流れがあなたに起こっている可能性があります。
では、この状況を抜け出すにはどうしたらよいのでしょう?
承認欲求の悩みを解決するには?
この状況を抜け出すために、まずは”承認”について詳しく知ることが大切です。
承認には2つの種類があります。
1つは「他者からの承認」、もう1つは「自己承認」つまり、自分で自分を認めることです。
小さい頃に両親からもらえなかった承認を他の人からもらって、承認欲求を満たそうとしている場合、求めているのは「他者からの承認」です。
でも、私たちが他の誰かをコントロールすることはできないので、誰かが私たちを承認するかどうかはわかりません。つまり、他社からの承認を得ることはとても難しいことです。
だからこそ、大切にしたいのが「自己承認」。自分で自分を承認することです。
「自分で自分を認める力を高めていく」ことが、この状況を抜け出すカギなのです。
実は、心の底に潜んでいる承認欲求を満たすために一番大切なことは、自分で自分を認めることです。
一見、他者に認めてもらった方がより強く欲求を満たせるように見えますが、そうではありません。
自分で自分を認められるようになることこそ、承認欲求を芯から満たすことに繋がります。
「でも、自分で自分を認められる所なんてない…」
「どんなときに自分を認めたらいいのかわからない…」
そんな声も聞こえてきそうです。
頑張り屋さんのあなたは、恐らく「なにかすごい成果を上げたときでければ、自分を認めてはいけない」と考えているかもしれません。
自分のことを認めるポイントはどんなことでも大丈夫。条件はありません。
どんな些細なこと、小さなことでも自分を承認する材料にしてOKなんです。
でも…
いきなり「自分で自分を認めよう!」と思っても難しい…のではないかと思います。
そこで…
今日からあなたにやってみてほしいことがあるんです。
それがなにかというと…
誰かからの承認を求めている自分を見つけること
です。
認めてほしいのに、認めてもらえない状況、つまり無意識に誰かからの承認を求めているのに得られていない時、きっとあなたはもやもや、イライラといったネガティブな感覚を感じているはずです。
これからは、まずその瞬間の自分を見つけてあげてほしいのです。
無意識の承認欲求に揺れている自分に気づいてあげてほしいのです。
あなたは無意識に「誰かに承認されなければならない」と思っています。
でも、本当はそうではありません。
あなたは誰かに認められるために存在しているわけではないし、誰かに承認されることがすべてではありません。
そのままのあなたで、ここにいていいのです。
もちろん、意識の上ではそうわかっていましたよね。
ところが、これまでは無意識ではそう思えていなかったのです。
でも、これからは違います。
まずは、無意識で承認を求めている自分に気づけるようになる、その自分を意識できるようになることが大切です。
そうすることで、無意識に起こることに振り回されることが無くなっていきます。
この気づきが変化のスタート地点です。
気づきを重ねたその先で、少しずつ自分で自分を認めることに慣れて、認められるポイントを増やしていきます。
ポイントを増やせば増やすほど、誰かからの承認が必要なくなって、自分で自分を認められるようになって、心の奥に「私は私でいていい」と思える安心感を蓄えていくことができます。
いままでずっと完成していなかったパズルの最後のピースを、少しずつあなたが作ってパズルを完成させることができるのです。
まとめ
いかがでしたか?
無意識に求めてしまう誰かからの承認。
その欲求そのものをいきなり消し去ろうとしても、難しいものです。
だからこそ、最初に取り組むべきなのは、その無意識の欲求を持っている自分、承認を求めている自分に気づくこと。
気づけるようになるところからすべてが始まります。
そこから自分で自分を認められるようになって、心の中に揺るぎない安心感を育むことができたら、もう誰かの承認を求める必要がなくなります。
自分で自分を癒したり、満たせるようになることは、ACゆえの生きづらさを抜け出すことに繋がります。
そしてそのチカラは、この先ずっとあなたを助けてくれるでしょう。
いまこそ、未完成のパズルを自分のチカラで完成させて、今ここにいることへの安心感を高めて、生きづらさを手放していきましょう。
【アダルトチルドレン】
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